”萩のゆかり”誕生ストーリー

~東北大に「ゆかり」あり~
東北大学オリジナル日本酒「萩のゆかり」

誕生の経緯

お酒を通して、大学にゆかりのある人たちの輪がさらに広がっていってほしい。そんな願いを込めて、2020年、「萩のゆかり」が誕生しました。原料となる米の生産から酒の製造、ラベルデザインまで、卒業生や職員等の東北大学にゆかりのある人たちが携わっています。

どんなお酒?

「萩のゆかり」の原料となっている酒米「吟のいろは」は、令和元年に誕生した新しい酒米です。そしてその特別な酒米を最大限に生かすべく、低温でじっくり30日以上かけて発酵させることで、絶妙な香味、キレ、口あたりの調和をもつ純米大吟醸「萩のゆかり」が仕上がりました。おすすめの飲み方は冷や~常温。熟した果実を想わせるリンゴのような芳醇な香りが絶品です。

どこで造られたの?

萩のゆかりの仕込みは、(資)内ヶ崎酒造店が手掛けています。

酒造業は寛文元年(1661年)、二代目作右衛門の創業以来、350有余年県内屈指の歴史と伝統を誇っています。蔵は慶応年間に建てかえられましたが、先人の知恵による厚い白壁は蔵人達と苦楽を共にしてきました。厳冬の中、自然の寒さを利用した寒仕込みは、伝統に裏付けされた南部杜氏の手造りの技です。味にこだわる少量生産の高級酒は「地の味」として高い評価を得ています。

頑張る卒業生にインタビュー!

「萩のゆかり」の仕込みを手掛けた、内ケ﨑啓さん(2011 年 3 月 農学部応用動物科学学系動物微生物研究室卒)にお話をお聞きしました。

1.酒造りについての想いを教えてください!

科学と感覚の融合で酒造りをしています。古い蔵ではありますが、分析をし、データも大切にしています。感覚も大切で、何しろ分析できるものが少ないため、最後の決め手は分析の数字ではなく、味わいだと思っています。データの積み重ねから方向性を決め、味見をして物を判断する、それを大切にしています。それともう一つ大切にしているのは造りを実行するための気合と筋肉です。

内ケ﨑啓さん

2.どんな思いで「萩のゆかり」を造りましたか?

昨年新開発された新酒米「吟のいろは」を使用しています。20数年ぶりの新酒米なので、昨季の造りはなかなか戸惑いましたが、香りもあり、味わいも甘味、柔らかく仕上がったいい酒になったと思っています。祖父、父、私と東北大卒なので、母校のお酒を造ってほしい言われたときは大変うれしく思い、頑張って造りました。今季はもうすぐですが、米も特等がでたということで、非常に期待しています。今年も頑張って造ります。

3.在校生へのメッセージをお願いします!

今年はとても大変な年だと思います。私が卒業した年は大震災でめちゃくちゃで、卒業式は中止、研究も震災以降はできず。その前の年はリーマンショックで就職難でした。しかし高校までと違って大学ではやりたい研究もできましたし、バイトをしたのも良い思い出です。皆さんも日常を大切にして、やりたいことをやり、研究とかバイトとかサークルとかいろいろ楽しみながら、より良き大学生活を送っていただけたらいいなと思います。

萩のゆかりに携わった「ゆかり」の人々

<総合監修>
宮城県産業技術総合センター
橋本 建哉(東北大学農学研究科修了)
<吟醸造り>
(資)内ケ崎酒造店 内ケ﨑 研(東北大学工学部卒業)

         内ケ﨑 啓(東北大学農学部卒業)
<酒米作り>
古川農業試験場 遠藤 貴司(東北大学農学研究科修了)

<ネーミング>
東北大学総長・プロボスト室 諏訪 真奈美(東北大学文学部卒業)

<ラベルデザイン>
東北大学総務企画部基金・校友事業室 笘居 文葉